【フリーランス向け解説】ワーケーション費用はどこまで経費にできる?

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働き方の多様化が進む中で注目を集めている「ワーケーション(Work × Vacation)」。

観光地やリゾート地など、普段の環境と異なる場所で仕事をしながらリフレッシュできるという魅力があります。一方で、「ワーケーションにかかる費用って経費にできるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、「業務に必要な費用である」と認められれば、ワーケーションにかかる費用も経費にできる可能性があります。

この記事では、

  • ワーケーションを経費計上する際の考え方
  • ワーケーションで経費にできる支出、経費にするのが難しい支出
  • 実際の体験談

をわかりやすく解説していきます!

フリーランスでワーケーションを検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

ワーケーションとは

「ワーケーション(Workation)」とは、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地など普段とは異なる環境で仕事を行うスタイルを指します。

また、観光庁はワーケーションを以下のように定義しています。

Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語。テレワーク等を活用し、普段の職場や自宅とは異なる場所で仕事をしつつ、自分の時間も過ごすことです。

(引用:「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー | 観光庁

「仕事と休暇の両立を図る新しい働き方」として、政府や自治体もワーケーションを推進しています。

フリーランスがワーケーションで経費計上する際の考え方

「業務に必要な費用であること」が大前提

日本の税法における経費(必要経費)とは、「事業所得を得るため、または維持するために直接必要な支出」とされています。

したがって、ワーケーションにかかる費用も「業務に必要であったこと」を説明できなければ経費としては認められません。

業務に必要であることの具体例としては、以下が挙げられます。

  • ワーケーション先で打ち合わせや商談がある
  • ワーケーション先で取材や写真撮影を行う
  • セミナー・勉強会・展示会等のイベントへ参加する
  • 商品・サービス開発に必要なフィールドワークを行う

上記のように、「業務に必要であったこと」を説明できれば、経費とすることが可能になります。

業務の割合によっては、「按分(あんぶん)」が必要

ワーケーションは仕事とプライベートが混在しやすいため、すべての費用を丸ごと経費にするのは基本的にNGです。

例えば、「4泊5日中、2日が業務、3日が観光」であれば、宿泊費の40%程度を経費へ計上します。

私的要素と業務要素を切り分けて、業務分のみを経費とする「按分処理」が原則です。

「仕事の実態」があることを証明することが重要

ワーケーションにかかる費用の経費計上を正当化するには、次のような「業務の証拠」を残すことが有効です。

  • 作業内容のメモ・報告書
  • クライアントとの打ち合わせ記録(メール・議事録)
  • 作業風景の写真(PC作業中など)
  • 成果物(撮影した素材、企画資料など)

特に税務調査では「実際にどんな仕事をしていたのか」が問われるため、「業務の証拠」を残すことが非常に重要になります。

フリーランスがワーケーションで経費にできる可能性のある5つの費用

ワーケーションで経費に計上できる可能性があるのは、以下になります。

1.交通費(新幹線、飛行機など)
取引先との面談など、業務上、現地へ赴く必要がある場合は、経費として認められる可能性があります。一方、観光/休暇が主目的で業務上の必要性がなければ、経費として計上することは難しいでしょう。

2.宿泊費
取引先との面談や現地取材、イベントへの参加など、宿泊することに業務上の必要性がある場合は、経費として認められる可能性があります。しかし、連泊する中で何日業務へ従事したかによって按分処理することが原則です。

3.接待交際費
仕事関係の人との会食や打ち合わせの際に発生した飲食代は、経費として認められる場合があります。

4.通信費(Wi-Fi、SIM等)
現地でPC作業を行う場合に、Wi-Fi等の通信環境は業務に必要であると明示できるため、経費として認められる可能性が高いです。

5.コワーキングスペース代
現地で業務を行うために必要であると考えられるため、経費として認められる可能性が高いです。

フリーランスがワーケーションで経費にするのが難しい3つの費用

ワーケーションで経費にすることが難しいものは以下になります。

1.観光地の入場料・アクティビティ代
観光地への入場やアクティビティが業務に直接関係ない場合、経費として計上するのは難しいです。

2.個人的な飲食代
業務と関係のない個人的な飲食代については、経費に含められないケースが多いです。

3.お土産・記念品
お土産や記念品の購入は業務との関係性がないため、経費として計上するのは難しいです。

Xのつぶやき紹介 ワーケーション費用の経費計上

ワーケーション費用の経費計上に関するリアルな声を紹介します。

取材を終えて、羽田空港なう! いつ来ても、出発ロビーの高揚感が好きです。
やってみたかったワーケーションしに、バリへ行ってきます。もちろん航空機代は経費。
(引用:https://x.com/racco_writer/status/1757324120537301430

投稿主は取材ライターであり、バリへ取材目的で行くことが想定されるため、交通費(航空機代)を経費として計上することは正当性があります。

税理士にワーケーションって経費にできますか?って聞いたらすごい難色を示されてしまった・・那須で仕事したいなぁ
(引用:https://x.com/5ten_habutae/status/1769900385190527373

税理士への確認を取った際に、経費計上がおそらく難しいと回答されたケースになります。業務をするうえでの必要性がない場合は、経費へ計上することは実際に難しいことが分かります。

フリーランスがワーケーションをするなら補助金の活用がおすすめ

ワーケーション補助金とは

ワーケーションを検討している方にとって見逃せないのが、各自治体や省庁が提供する「ワーケーション補助金制度」です。これは、地方自治体が地域活性化や関係人口創出を目的に、滞在費・交通費・コワーキングスペース利用料などを一部補助してくれる制度です。

企業向けに団体での利用を対象とするものから、個人フリーランス向けに提供されているものまで多様に存在し、内容も地域によって異なります。補助額は数千円〜数十万円までと幅があり、活用できれば自己負担を大きく軽減することが可能です。

ワーケーション補助金の事例:北海道富良野市

北海道富良野市では、市外在住の企業社員・フリーランス・個人事業主を対象に、業務と生活体験を兼ねた「ワーケーション」実施を支援する補助制度を展開しています。「転職なき移住者向け ワーケーション・移住体験支援事業」では、2週間以上1か月以内の滞在で、10万円を上限に2/3以内の宿泊費補助金が支給されます(20〜40代の場合)。富良野での暮らしや仕事の両立を体験できる内容で、SNS発信や地域との交流参加が条件です。助成金を受け取るためには、事前のオンライン相談と申込申請が必要となります。(参考:【ご案内】令和7年度「ワーケーション展開費用助成金」について

補助金をうまく活用すれば、ワーケーションの実施コストを抑えつつ、地域とつながる価値ある体験が可能です。制度は随時変更されるため、「自分が行きたい地域+ワーケーション補助金」で定期的に検索するクセをつけると効果的です。

まとめ

フリーランスがワーケーションにかかる費用を経費として処理するには、「業務をするうえでの必要性」を明確化することが重要です。

ポイント

  • 業務をするうえでの必要性
  • 客観的な証拠(記録・成果物)
  • 私的支出との振り分け(按分処理)

これらを押さえておけば、ワーケーションにかかる費用も事業活動の一環として適切に経費化することができます。

とはいえ判断が難しい場合もあるため、不安がある支出は税理士に相談するか、備考欄にメモを残すなどの工夫がおすすめです。

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