【初心者向け】Webライターの経費完全ガイド|節税の基本とよくある項目をやさしく解説

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「これって経費にできるのかな?」
Webライターとして活動を始めたばかりの頃、私自身もそんな疑問を何度も抱きました。

専門家でなくても、経費の基本を正しく理解しておくことは、節税や収支管理においてとても大切です。

この記事では、Webライターとして活動しながら経費について学んでいる筆者が、初心者にもわかりやすいように以下の内容を丁寧に解説します。

  • 経費の基本的な考え方
  • Webライターが気になる経費項目
  • 節税につながる実践的なポイント

専門的な会計知識がなくても理解できるよう、なるべくやさしい言葉でまとめています。
ぜひ最後まで読んで、少しずつ知識を身につけていきましょう。

目次

Webライターにとっての「経費」とは?

経費の基本的な考え方

Webライターにとっての「経費」とは、執筆や取材、学習といった業務を行うために必要な支出のことを指します。

たとえば、仕事で使用するパソコンや、キーボード・マウスといった周辺機器、オンライン講座の受講費、取材にかかる交通費などが該当します。

ただし、あくまで「事業に必要な支出」に限られます。
プライベート目的の買い物や、業務と関係のない支出は経費として認められないため注意が必要です。

 白色申告と青色申告の違い 

Webライターとして事業所得で確定申告を行う場合、申告方法は「白色申告」と「青色申告」の2種類から選べます。

  • 白色申告
    • 手続きが簡単で、複式簿記も不要
    • 控除額が少なく、節税効果は小さい
  • 青色申告
    • 帳簿を正確に記録する必要がある(複式簿記が基本)
    • 開業から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要がある
    • その分、最大65万円の控除や、一括で経費計上できる特例などの節税メリットが多数ある

青色申告をすると経費で得られるメリット 

青色申告をすると、次のような節税メリットが得られます。

メリット内容・効果
最大65万円の青色申告特別控除所得から65万円を引ける(課税対象が減る=税金が安くなる)
少額減価償却資産の特例10万円以上の備品も、一括で経費にできる可能性がある
家事按分による経費化家賃・通信費の「業務使用分」を経費として申告しやすくなる
赤字を3年繰り越せる売上が少ない年の赤字を、翌年以降の利益と相殺できる
家族への給与も経費にできる家族が手伝った分の給料を「専従者給与」として経費計上できる

青色申告を始めるには?必要な手続きと会計ソフト 

「青色申告って難しそう…」と思われがちですが、必要な手続きを押さえておけば、初心者でも十分に始められます。

【青色申告を始めるためのステップ】

  1. 開業届を提出する
    税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。
    開業日は、過去にさかのぼって記入することも可能です。
  2. 青色申告承認申請書を提出する
    開業届と同時、または開業から2ヶ月以内に、「青色申告承認申請書」を税務署に提出します。
    これで青色申告の申請は完了です。
  3. 帳簿をつけるための準備をする
    青色申告には帳簿付けが必要ですが、今はクラウド会計ソフト(例:freee、やよい)を使えば、簿記の知識がなくても記帳・確定申告まで自動化できます。

 ポイント
青色申告は手間はかかりますが、節税メリットが大きく、経費の幅も広がるため、副業ライターでも導入する価値は十分にあります。

Webライターが経費にできる代表例10選

Webライターとして活動する上で発生するさまざまな支出のうち、業務に関連するものは経費として計上できます。
ここでは、代表的な経費10選とその勘定科目を紹介します。

パソコン・周辺機器代

Webライターにとって、パソコンや、マウス・キーボード・モニターなどの周辺機器は欠かせない仕事道具。
これらは業務に必要なものであれば、経費としてしっかり計上できます。

ただし、購入金額によって「経費としての扱い方」が異なる点には注意しましょう。

特に10万円を超える備品には、「減価償却」というルールが適用され、数年にわたって分割して経費にする必要があります

一方、青色申告者であれば「少額減価償却資産の特例」が使えるめ、10万円以上でも一括で経費にできるケースがあります。

経費の扱いと勘定科目の目安
購入金額(税抜)経費の扱い方勘定科目備考
10万円未満全額をその年に一括で経費にできる消耗品費青・白問わずOK
10万円〜20万円未満青色申告者のみ「少額減価償却資産の特例」で全額経費に可能消耗品費 または 工具器具備品白色申告者は減価償却が必要
20万円以上原則、耐用年数に応じて数年に分けて経費にする(減価償却)工具器具備品耐用年数に応じて毎年按分例:パソコンの耐用年数は通常4年

勘定科目:

  • 10万円未満:消耗品費
  • 10万円以上:工具器具備品(減価償却対象)

ソフトウェア・アプリ代

  • 構成作成ツール
  • 執筆補助アプリ など

業務で使用するソフトウェアの購入費や利用料も、問題なく経費にできます。

買い切り型のツールは忘れやすいので、領収書や利用目的をメモしておくと安心です。

勘定科目:消耗品費 または ソフトウェア

サブスクリプション代

  • AIツール(ChatGPT)
  • デザインツール(Canva)
  • SEO分析ツール(Ubersuggest)など

継続的に利用するツールのサブスクリプション利用料も、業務目的であれば全て経費計上が可能です。

勘定科目:支払い手数料 または 通信費

ブログ運営費

  • ドメイン取得費用
  • レンタルサーバー代

ブログを使ってポートフォリオや情報発信をしている場合、これらの費用も経費になります。

ただし、趣味ブログや広告なしの個人日記などは対象外になる可能性があるため、「仕事につながるブログ」であることを記録しておくと安心です

勘定科目:通信費 または 支払手数料

書籍・参考資料代

  • 執筆スキル向上のための参考書
  • 取材や専門知識のための本 など

仕事に関連する書籍の購入費用も経費に含まれます。

「電子書籍」も対象になりますので、購入時にスクリーンショットや領収書を保存しておきましょう。

勘定科目:新聞図書費

講座・セミナー代

  • ライティング講座
  • オンラインセミナーなど

スキルアップを目的とした学びの場も、業務に必要な支出として経費に計上できます。

金額が20〜30万円と高額になることもありますが、仕事に直結する内容であれば問題ありません

パソコンなどの備品と違い、講座やセミナーは「一度きりの学習費用」として扱われるため、金額に関わらずその年に全額を経費にできます。

領収書や受講記録の保管「どんなスキルの向上を目的に受講したか」のメモを残しておくと安心です。

勘定科目:研修費

カフェ・コワーキングスペース代

Webライター同士の打ち合わせやクライアントとのミーティング、作業場所としての利用など、明確な業務目的がある場合、カフェやコワーキングスペース利用代も経費にできます。

注意点: 
たとえば「カフェでランチを食べた後に作業した」ようなケースでは、
食事代は経費に含められません。

カフェの領収書には「作業」「打ち合わせ」など、具体的な利用目的をメモしておくと、後で帳簿に記載しやすくなります。

勘定科目:会議費 または 接待交際費

スマホ・通信費(業務使用分)

メールやチャット、取材の通話、SNSでの情報発信などにスマートフォンを使用している場合、スマホの料金やインターネット通信費の一部を経費として計上可能です。

ただし、私用も含まれている場合は「家事按分」によって、業務利用の割合だけを経費として計上する必要があります。

目安としては、使用日数や使用時間に基づいて割合を決めると良いでしょう。

勘定科目:通信費

取材・打ち合わせにかかる交通費

現地での取材やクライアントとの面談・打ち合わせのために発生した電車やバスなどの交通費も、業務に直接関係していれば経費に計上できます。

注意点:
旅行ついでに取材を兼ねたケースや、明確な業務目的がない移動は、グレーと判断される可能性があります
日付・行き先・目的をメモしておき、ICカード履歴や領収書を保管しておくのが安心です。

勘定科目:旅費交通費

事務用品代

Webライターの仕事で使う事務用品も、経費としてしっかり計上可能です。

  • ノートやペン
  • 印刷用紙、インク
  • プリンター本体
  • 書類整理グッズ(バインダーや棚など)
  • デスクライト など

高額な備品(例:プリンターが10万円以上)については減価償却の対象になる可能性があるため、購入金額に応じて勘定科目を分けましょう。

勘定科目:消耗品費(高額な場合は工具器具備品)

これって経費にできる?グレーゾーンになりがちな支出の計上方法

ここまで、Webライターにとっての主要な経費項目を紹介しました。
とはいえ、実際には「これは経費にしていいの?」と迷うことも多いはず。

この章では、グレーゾーンになりやすい支出について、判断のポイントをわかりやすく解説します。

家賃(自宅兼作業場)

自宅で執筆や取材対応などを行っている場合、作業スペースとして使っている部分の家賃を「家事按分」により一部経費にできます

【計上方法】

  • 家の中で仕事に使っている部屋の面積比率や使用時間で案分

    例:「2LDKのうち1部屋(25%)を仕事部屋にしている」
    → 家賃の25%を経費に計上可能

【注意点】

  • 賃貸契約書や間取り図、作業写真などがあると説得力が増します
  • 家族共有スペースやリビングは按分しづらいので注意

勘定科目:地代家賃

電気代

在宅作業が中心のWebライターにとって、電気代も仕事のための支出の一部
ただし、生活用と兼ねているため、こちらも按分計上が基本です。

【計上方法】

  • 月の電気代 × 業務で使用している時間や部屋の割合で案分

    例:「パソコンや照明を使う時間が1日8時間(約1/3)」
    → 電気代の約33%を経費に

【注意点】

  • エアコンなど大きな電力を使う機器の業務使用も記録しておくと◎
  • 家族と共有するリビングなどで作業している場合は、「仕事専用のスペース」とは言いづらいため、按分割合は控えめに見積もるのが安心です

勘定科目:水道光熱費

スマホ購入代

スマートフォンは業務でもプライベートでも使うため、業務利用割合を見積もって按分計上する必要があります。

【計上方法】

  • 業務利用時間・通話・メール・取材の使用頻度をもとに使用割合を算出

    例:「1日のうち30%が仕事用」→ 購入代金の30%を経費に

【注意点】

  • 分割購入でも毎月の支払額 × 業務使用割合で計上可能
  • 一括で購入し10万円を超える場合は「減価償却」の対象になることも

勘定科目:通信費 または 工具器具備品(10万円以上)

オンラインサービス代

「Netflixで映画レビューを書く」「YouTubeで時事ネタを研究」など、業務と結びつく使い方が明確なら経費にできる可能性があります

【計上方法】

  • 業務目的の視聴(取材・執筆ネタ)分だけ按分して計上

    例:「月額1,500円のうち30%を業務目的で視聴」→ 450円を経費に

【注意点】

  • レビュー記事や企画との関連性を記録しておく(URL・タイトルなど)
  • プライベート利用がメインの場合は、無理に計上しない方が無難です

勘定科目:新聞図書費 または 支払手数料

経費になるか迷いやすい支出の例とポイント

以下のような支出も、仕事にしっかり関連していることを証明できれば、経費にすることが可能です。

項目経費にできる条件
家具(椅子・机)執筆専用の作業スペースで使っている場合
カメラ・録音機材取材や仕事用コンテンツ制作に使用している場合

このように、判断が難しい支出はたくさんありますが、「業務との関係性を説明できるかどうか」が経費にできるかどうかのカギです。

業務と私用が混在している場合は、「按分(あんぶん)」して業務に使った分だけを計上する必要があります。

そのため、日頃から領収書・スクリーンショット・使用記録など、業務利用の根拠を残しておくことが大切です。
自信がない場合は、税理士や会計ソフトのサポートに相談しながら、丁寧に記録を残すのが安心です。

初心者でもできる節税対策のコツ

初心者のWebライターでもすぐに実践できる節税方法…
それは、仕事に関する必要経費を正しく計上することです。

なぜ経費の計上が節税につながるのか?

その理由は、所得税は「所得」が高いほど税率が上がる仕組み(超過累進課税)になっているからです。

たとえば、同じ収入でも、経費をしっかりと計上して「所得」を低く抑えることで、結果的に課税対象が減り、税金の負担が軽くなります。

所得税の早見表
課税される所得金額税率控除額
~195万円5%0円
195~330万円10%97,500円
330~695万円20%427,500円
695~900万円23%636,000円
900~1,800万円33%1,536,000円
1,800~4,000万円40%2,796,000円
4,000万円~50%4,796,000円

 青色申告をすると、さらに効果アップ!

青色申告をすると、経費にできる幅が広がるだけでなく、最大65万円の「青色申告特別控除」を受けられるため、節税効果がぐっと高まります。

また、パソコン代の例のとおり、10万円以上の経費でも一括で計上することができます。

「経費+青色申告=節税の基本セット」
副業ライターでも実践可能なので、早めに取り組むのがおすすめです!

まとめ

この記事では、Webライターとして経費にできる支出の具体例や、計上のポイントについて解説しました。

Webライターは一度に大きな出費が少ない分日々の小さな支出を見逃さずに経費として記録することが、効果的な節税につながります

また、経費の知識を持っておくことで、無駄な出費を防ぎ、収支管理や将来の収入アップにも役立つはずです。

「これは経費にできるのかな?」と迷ったときは、ぜひこの記事を思い出してみてください。

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